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南馬込おかばやし耳鼻咽喉科のクリニックブログです。
病気や治療のことに関わらず、日々のクリニックの様子など日常的なことを書いていけたらと思います。

グラム染色から学ぶ感染診断(2026.2.6)

2026年も、はや2月となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

常に何か新しく提供できる事はないかと考える事が多いのですが、今回はグラム染色についてお伝えしてみようと思います。

1年ほど前に導入し、1年ほど色々な検体のグラム染色を行い、患者さんへ説明を行って参りましたが、一般的に言われていることと乖離していると思った、私の経験則を記載してみようと思います。

1つ目は、見た目の検体の色、すなわち黄色い、あるいは白色から透明と、細菌感染パターンかどうかは必ずしも一致しないという事です。

子どもの長引く鼻かぜで、いつも鼻汁の色は白から透明ですといった子の場合、発症後2週間ほど経っており鼻かぜというには長いと感じる場合、グラム染色を行うと肺炎球菌と思われるグラム陽性球菌がクローン様に増殖している所見を得ることが多々あります。

「鼻はねばねばだけど透明だから鼻風邪だね~ムコダインで様子見てください」ではないのです。細菌性急性鼻副鼻腔炎なので、抗菌薬を使用しましょう。

これは、経験則だけでは判断しかねるところだと思います。

また、大人の風邪で、3日前から黄色い鼻水が出るんですけど、抗菌薬があったほうが良いですかと受診されたりしますが、膿性鼻汁のグラム染色を行うと好中球はよく見えるものの、細菌が全く見えないことも良くあります。

こと大人については、溶連菌感染症などのケースを除き、かぜをひいたなと思ってから1週間ほどは、まことに風邪、すなわちウィルス性上気道炎である可能性が高いです。

子供の場合、そうはいっても発症後初期から細菌感染像を伴うこともあり、悩ましいケースが多いです。体感的には子供の方が細菌感染を起こしやすいのではないかと思います。

これは以前ブログでも書きましたが、多価抗原に対する樹状細胞を介した特異的免疫反応が、子供では発達していないためだと思われます。

また、外耳道炎の際の耳漏については、これは鼻汁とかなり異なる所見を呈することが多いですが、こちらは好中球の浸潤をあまり認めることはほぼ無いです。

一方的に細菌が数多くクローン様に増殖していることが多いです。

よく認めるのは黄色ブドウ球菌ですが、緑膿菌や真菌感染を疑う場合もあります。

長く拗らせて病院を受診していない人ほど、イレギュラーな所見を呈している事が多いように思います。

こういった事を繰り返していると、通常の感染ではあまり見ないパターンが分かるようになり、場合によっては早めの精査が望ましいケースを、より的確に判断できるようになります。

やはりグラム染色は導入してよかったと思う検査の1つです。

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