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慢性滲出性中耳炎
(まんせいしんしゅつせいちゅうじえん)

とり子は1歳の女の子だ。最近保育園に通園しだした。

今まではあまり風邪を引かない方だったが、保育園に行きだしてから、よく風邪をひくようになった。近くのキリン小児科でも、仕方ないとよく言われている。

ただ、ここのところ3週間あまり、鼻風邪が治る事なく続いていた。母親のとり美は不安になり、一度耳鼻科に連れて行こうと思い、しまりす耳鼻科を受診したのだった。

先生、こんにちは

こんにちは、とり美さん、とり子さん

とり美は今までの経緯についてしまりす先生に伝えた。

なるほど。経緯はわかりました。まずは診察しましょうか

しまりす先生は、とり子の耳、鼻、喉を確認した後、両方の鼓膜を写真に収めた。

とり美さん、お子さんの鼓膜ですが、実は中耳炎になっています。

ただ、痛くないタイプの中耳炎です。慢性滲出性中耳炎といいます。

ええ!?

鼻風邪を長くひくと、よくお子さんはこの病気になる事があるんです。

子供は大人と違い、耳と鼻を繋いでいる管の力が弱く、こうして鼓膜の内側の中耳という空洞に、ネバネバした液が溜まります。

いわゆる急性中耳炎と決定的に異なるのが、痛みが出ないため、特に小さい子は症状を訴える事が少ないということです。

そうだったんですね。全然気付きませんでした。!

問題は、この病気の症状です。
中耳に液が溜まる事で、一番困るのは聞こえにくくなる事です。

もちろん液が抜ければ聴こえるようになりますが、鼻が治らないとこの病気もなかなか治らないのです。

小さいうちは耳で言葉を聞いて、言語を習得します。ですから、特に小さいうちは聞こえが良い状態を維持することは大事です。

しかしすぐ治る病気でもないので、治りきるまでは、しっかりと薬を使いながら、経過を追う必要があります。

先生、でもキリン小児科にも通っていますが、鼻風邪が長引くのは仕方ないとも言われています。どうしてですか?

それは、おそらく年齢に比して集団保育を始める時期が早かったためと考えます。

どうしても保育園は、同じような年齢の子が多く、風邪をうつし合うことが多いです。

ですから、この病気の場合、環境が許すなら、集団保育を止めて自宅で療養するなどといった形をとることも勧められています。

でも先生、私も仕事を再開したばかりで、なかなか難しいです。

ですよね。実際、なかなか難しい事と思います。ただ、お子さんの病気として、慢性滲出性中耳炎があるのも事実です。

診療のガイドラインが指針として示されており、これに沿って治療していく形がいいと思います。

しばらくは薬を使いながら経過を追いましょう。

分かりました。よろしくお願いします。

小学校入学前までに特に多い慢性滲出性中耳炎

慢性滲出性中耳炎は、耳鼻科医を続けていると、急性中耳炎よりずっとよく見かける病気なのではないかと思う病気です。

特に小学校入学前までの年齢の子が、鼻風邪をずっとひいている場合、だいたいこの病気を一緒に併発していることが多いです。

しまりす先生も伝えているように、社会構造の変化に伴い共働きの世帯が増え、早期に保育園に預ける家庭が増えました。

それ自体は仕方がない事ですが、結果的に集団保育がまだ早い年齢の子が風邪にずっとかかり続けることが増えたのではないかと思われます。

風邪をひき、治りかけたタイミングでまた他の子から風邪をもらい、これを何度も繰り返すような状態です。

実際、盆や正月に帰省の為実家に戻り、保育園と距離を開けた期間があると、次に耳鼻科を受診された際に、鼓膜がすっかり綺麗になっていることもよく経験します。

現代の社会構造を反映したような病気のようにも思いますが、聞こえに影響する為、治るまでしっかり向き合う事が必要です。

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