甲状腺エコー・頸部エコー
検査のご案内
甲状腺とその病気について
皆さんは甲状腺という組織を御存知ですか?首の前のやや下側にある、ホルモンを出す組織です。
甲状腺のホルモンが増え、動悸や息切れ、疲れやすさなどに関係するバセドウ病という病気になることがあります。
バセドウ病なら、聞いたことがある、といった方もいらっしゃいますでしょうか。
逆に甲状腺のホルモンが減ってしまい、倦怠感やむくみ、薄毛や汗をかきにくいなどといった症状を呈する、甲状腺機能低下症(橋本病)といった病気もあります。
いずれにしても、女性に多い病気です。
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甲状腺の病気は、ホルモンの病気だけではありません。腫瘍ができることも多々あります。
福島原発の事故の際、甲状腺について情報が多く出回った時期がありました。
チェルノブイリ原発事故後しばらくしてから、周辺住民、特に小児の甲状腺癌の罹患が相次いだため、今回も同様のこととなるのではないかとの懸念があったためです。
詳細は割愛させていただきますが、その結果はここ数年でわかるものではなく、長い目で評価しなければならないことであり、将来的に関係性があるかどうかの結果が分かるものと考えます。
症状もなく甲状腺腫瘍のある方は多くいる
ただ、原発とは関係なく、良性であっても悪性であっても、症状がないだけで甲状腺腫瘍をお持ちの方は思いのほかたくさんいらっしゃいます。
統計によると、甲状腺結節の罹患頻度は、1.2~35.3%、甲状腺癌の罹患頻度は0.08~3.9%とされています。
男性よりも女性に多いとされており、甲状腺癌の場合、日本人では悪性度の低い、「乳頭癌」が多いとされています。
これは病理学上の診断名です。
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甲状腺に腫瘍ができる頻度は思ったより高いのだな、と感じませんか?
悪性であれ良性であれ、症状をほとんど認めることが少ないため、乳がん検診の際に一緒に甲状腺エコーを受けられる際に、偶発的に甲状腺腫瘍を指摘されることが多いように思います。
エコー検査について
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私事を話させていただくと、もともと甲状腺腫瘍の治療に携わりたいと思って耳鼻咽喉科医になった経緯があり、頸部エコーには研修医のころからずっと携わってきました。
この度、当院でも甲状腺エコー及び頸部エコーを施行できるよう、超音波エコー装置を導入することとなりました。
クリニックでは内部性状の判断、定期検査が可能です
大学病院や総合病院の場合、エコーで甲状腺腫瘍を認めた場合は、FNA(穿刺吸引細胞診)といって、悪性か良性かを判断する指標となる検査を行うことができますが、クリニックでは難しいです。
理由としては、FNA処置後にごく稀に甲状腺が急激に腫れあがる場合があり、気管を圧迫し呼吸困難となるケースがあるため、そのようなケースでも対応できる病院でないと、FNAは施行困難だと考えるからです。
ですから、当院ではFNAは施行できません。
ただ、エコーで、ある程度悪性かないしは良性かの判断は可能です。
また急激に腫瘍が大きくなることは稀ですので、数か月のスパンをあけて定期的にエコーでサイズの変化がないか確認することもできます。
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悪性を疑う場合や、良性であってもサイズが極めて大きく、総合病院への通院が必要と思われる方については、適宜紹介とさせていただきます。
そのほか様々な病気の早期発見もできます
また、頸部には甲状腺のみならず、耳下腺や顎下腺、頸部リンパ節といった組織があります。
いずれも耳下腺腫瘍や顎下腺腫瘍、頸部リンパ節腫脹・頸部リンパ節転移などといった病気が隠れていることがあり、これらは同じようにエコーで確認することができます。
すべて耳鼻咽喉科の関係する疾患です。
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お子さんでも、風邪をひいた際に頸部にシコリを認めることは多々あり、風邪が治った後もそれがずっと残る場合、精査を必要とすることがあります。
その際に、頸部を触診するよりも、実際にエコーでリンパ節を評価したほうが、かなり詳細な情報が分かります。
血液疾患の癌として有名な悪性リンパ腫も、頸部に多発するシコリとして耳鼻咽喉科の頸部エコーで確認されることがあります。
私も大学病院勤務時代は、血液内科の先生から、悪性リンパ腫疑いの患者さんの頸部リンパ節摘出術をよく請け負っておりました。
患者さんは、頸部の手術は耳鼻咽喉科の先生がされるのですね!と皆さんよく驚かれていました。
まずはお気軽にご相談ください
このように、甲状腺を含めた頸部エコーは、様々な疾患を見つけることができて、しかもレントゲンやCTと異なり、被爆することがありません。
診療の際に、上記に該当するような疾患を疑う患者様の場合、エコーでの精査も検討しますが、ご自身でも何か思い当たる節がある患者様がいらっしゃいましたら、ぜひ当院でエコー検査を受けてみてください。
受付で御伝えいただいても、私に診察室で御伝えいただいてもかまいません。
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