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クリニックブログ

南馬込おかばやし耳鼻咽喉科のクリニックブログです。
病気や治療のことに関わらず、日々のクリニックの様子など日常的なことを書いていけたらと思います。

自然免疫とワクチン(2024.6.24)

6月下旬となりました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

日差しもだいぶ強くなり、夏を感じる天気の日も多くなりました。

今年は緩やかにCOVID-19の波が押し寄せているのが見て取れますが、RSVやヒトメタニューモウィルス、アデノウィルス、コクサッキーウイルスの流行も見受けます。

ウィルスに対しては、粘膜上皮の感染の前に、粘液防御の段階があり、分泌型IgAや自然免疫がその要となります。

自然免疫については基礎的な免疫として万人が持っているものになりますが、もちろん個人差があります。

分泌型IgAは、2量体の免疫グロブリンとして粘液内に放出されるものとなり、これは基本的にはメモリーcellがあって初めて対応可能となります。

そのため、矛盾したことを言うようですが、マスクをするのではなく、適度に流行りののど風邪に罹ることで、IgAのブラッシュアップができるのではないかと思っています。

流行りのウィルス感染は、たいていはRNAウィルスのため、変異が早いです。ずっとのど風邪を避けていれば、軽めの感染でも症状が強く出て、一部は基底膜を突破し、思いもかけない部位に感染を起こすことにもつながると思います。

また、炎症は長引くほどに、本来対応すべき型の維持が出来なくなり、余計な器質的変性、本来対応すべきではないカスケードの励起に繋がっていきます。


ポイントは、なるべく風邪をひいても、長引かないように普段から本来あるべき人間らしい生活を過ごすこと(潔癖な生活を避ける、当たり前ですが食事はバランスのよい食事を、睡眠時間の確保、よい睡眠を得ること、ストレスの軽減(ステロイドホルモンと関係します))、体質は皆同じではないことを理解すること(同じ家族でも、同じウィルスに罹患してもその後の回復過程は異なる)、1週間以上続く、極端に疼痛が強い、熱発が顕著などといった場合に、そのうち治るだろうとたかをくくって自己判断で様子をみない、アレルギー素因(アトピー性皮膚炎・蕁麻疹・アレルギー性鼻炎・喘息など)をお持ちの方は、炎症後の治癒過程が炎症の型の変動により通常より長引くことがあり注意する、などといったところでしょうか。

ただ、免疫原罪といって、自分の持っている抗体で対応できるうちは、軽度の変異に対しては手札である免疫グロブリンを改変せずに対応したりしますから、常に感冒に罹患していたとしても、やはりどこかのタイミングで極端に症状が強く出るときはあるものです。

それほどまでに、適応免疫が駆動し、メモリーcellを作るまでの反応を起こすのはパワーのいることなのです。

そしてそれを比較的簡易に行うことができるのがワクチンなのです。

ウィルスとの共存(2024.5.21)

月日が過ぎるのは早いもので、今年ももう5月になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?

GW前後は溶連菌感染が流行っておりましたが、最近は陽性率が減り、別のウィルス感染が流行っているようです。

ライノウイルスやRSウィルス、ヒトメタニューモウィルスなど、このあたりは短期決戦で人から人に移っていきますし、RNAウィルスであるがゆえに変異も多く、一生気道感染症にかかりたくないと思っても、そうもいかない側面があるように思います。

しかし、だからといってマスクをずっとして過ごしていれば、良いというものではないように思います。

確かにマスク着用で急性気道感染症の罹患頻度を抑えることはできますが、1型免疫や3型免疫の駆動回数が減ってしまい、結果的には2型免疫の亢進に繋がっていく印象も受けます。

実際、アトピーや蕁麻疹、喘息や花粉症などのアレルギー疾患の既往を持つ方はどんどん増えています。

こういったアレルギー疾患の既往を持つ方は、気道感染症罹患後に体調のホメオスターシスが復調するのに時間を要する事が多いです。

今後そういったケースはどんどん増えていくものと思っています。

ではどうすれば良いかと私なりの考えを述べますと、1つは、自然であることを受け入れること、すなわち人間も動物も同じ地球上の生命であり、人間だけが特別といったことはないといったことを 真の意味において理解することだと思います。

ウィルスも細菌も、どれだけ人間が知恵を働かせてもゼロにすることはできないし、そもそもこれらの微生物がいるからこそ、なりたつものも多いのです。

コロナが流行った当初、ゼロコロナだとか、コロナを撲滅といった言葉が一部出ていました。

これだけの感染力を持ったものが、ゼロにできるわけがないと思いましたが、やはりゼロにすることはできませんでした。

そもそもこういった微生物は、滅菌とか消毒、極端な回避を行えばよいというものではなく、適切に理解し、適切な対応が出来るようにすることが大事です。

難しいと思いますが、正確な理解と対応が大事で、過度におびえないことが肝要なのです。

体質は、先祖代々のDNAによる影響がもっとも大きいと思いますが、乳児・小児期・青年期の生活環境や罹病歴なども関係し、その方の体質を決定しているように思います。

若いうちは大病をせずに済むことが多いですが、次第に体調悪化後の復調が、思ったようにいかなくなるものです。

これは、そもそもDNAは、DNAを次世代につなげることを目的に進化しており、本来の子育てに適した年齢までは、病気に比較的強く過ごせるようにどの生物も進化しておりますが、その後の年齢については、DNAはより長く生きることができるように進化しているわけではありません。

DNAにとっては、次世代へつながればそれでよいからです。

非常に残酷な話ではありますが、進化は極めて合理的に進んでおり、個々人の理想をかなえる、などといった都合のよいことを実現するために進化していません。

ですから、まずは自身の体質を知ること、そして体質というものは、生殖適応年齢を超えていくと次第に劣化が進んでいき、DNAは都合よくそれを助けてくれるわけではないことを理解する必要があります。

炎症は活性酸素種を形成し殺菌の役に立てます。

免疫複合体は高分子蛋白であり、腎臓への負担が発生する場合もあります。

場合によってはT-regで制御できない自己免疫疾患の誘発を招きます。

ですから、無菌状態で過ごす実験動物は、長寿となることが多いです。

しかし人間が無菌状態で一生を終えることは不可能です。

地球上に住んで生活している以上、微生物とのかかわりは避けられないし、微生物がいなければ定常状態を維持して生活することはできません。

ですから、いかに本来あるべき形で生きていくことができるか(これは、ある意味本来人間が生きていくのに適した生活環を理解する、といった意味に近いです)、そして人が知恵によって開発した薬や治療を、どのように適宜当てはめていくのがよいかを知ることが肝心です。

これを行うのが我々の仕事だと思っています。

とりとめのない話になってしまいました。

コロナ禍もあけ、次第にコロナ前と同じような生活サイクル、感染症のサイクルへ戻っていくものと思いますが、去年も季節外れのウィルス感染があったように、今年も同じような傾向が大なり小なりでると思います。

体調のすぐれないときは、是非御来院下さい。

診察しなければわからないこと(2024.4.5)

4月になりました。ブログ更新が少し滞っておりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回は少し難しい話になりますが、もし時間があるようであれば目を通してみてください。

耳鼻咽喉科は、頭頸部の疾患すべてを診察対象とするため、アレルギー、感染症、この2つをいずれも理解する必要があります。

一般的に言われている事実と、臨床上認められる事実が、同じケースである場合と、相反する場合があります。

この場合、基本的には臨床上認められる所見及び臨床経過をもっとも優先すべきと考えます。

事実、今まで一般的な医学知識での判断での投薬で改善を認めない場合に、粘膜所見の変遷から考えられうる病態の推察が功を奏したことが極めて多いからです。

患者さんの自覚症状は極めて大事です。病歴と治療歴、既往歴の把握で、ある程度病態を推察できますが、一方で自覚症状は間違えた診察を導くことがあります。

たまにあるのですが、患者さんは透明な鼻水がずっと出ていて、痰などは出ていないといわれる際に、経過が長く急性副鼻腔炎を疑う場合、ファイバースコープを通すと明確に膿性後鼻漏を認め、急性副鼻腔炎であることが良くあります。

自覚症状だけであれば、一見するとアレルギー性鼻炎かと考えてしまいますが、急性副鼻腔炎なのです。

アレルギーと炎症ですから、まったく治療の方向性が変わります。

このケースで肝心なのは、経過長くどうもおかしいなと思う懐疑心、そして実際に局所の所見を自分の目で確認する、すなわち検査、そして同じ患者さんでも局所の所見は時間経過とともに変遷し、特にアレルギーと炎症が同時に存在する場合、拮抗関係にあるこの2つの病態が一定のパワーバランスを保ちながら変遷していくということなのです。

これは粘膜所見に非常によく反映さえており、事実同じ患者さんでファイバースコープの記録を都度残していくと、それが顕著に認められるようになります。

これは皆同じように変遷するわけではなく、その方の持つ体質によって変わる為、一概にこうなりますと言うことはできません。

よくある、風邪をひいた後に咳喘息になるというのはこれにあたります、しかしこれも明確に気道炎症→喘息となるのではなく、その中間的な病態が存在し局所の粘膜所見をみればそれが一目瞭然なので、どのように薬を調節すればよいかが分かるようになります。

この事実は、なかなか総合病院で勤務しているうちは気づきにくいものでした。

何故ならば、急性副鼻腔炎の温存的治療を総合病院で行うことはほぼ無いからです。

クリニックで局所の粘膜所見を、都度いらっしゃる患者さんと話し合いながら確認し、病態を都度判断しなおすことで、次第に見えてくるようになりました。

それだけでなく、免疫学や微生物学の専門的知識も非常に有益でした。

目に見えない細胞レベルの病態を自分の頭で理解するためには、やはり専門書の通読が必要です。

臨床に関わる医学書は、あくまで臨床についての本であり、基礎医学書の代わりになるわけではありません。

基礎医学は学生以来、振り返ることはあまりないものでしたがこうして改めて振り返る機会を得ることで、非常に有益であったと思っています。

もちろん自分のまだ知らぬ病態も必ず存在するため、引き続き勉強を続けていくことが大事だと思っていますが、何よりも実際の診察の際に、なぜこのような事になったのかと振り返ることからすべて始まっているため、今後もこのような考えを大事にしていきたいと思っています。

また、こういった経験を重ねるほど、実際に診察しなければわからないことがどれほど多いかと痛感します。

当院がオンライン診療を積極的に活用していないのは、このような理由があります。

オンライン診療は局所の所見を得ることに極めて相性が悪く、基本的には慢性的な疾患に対して行うほうが良いと考えます。

新年のごあいさつ(2024.1.5)

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

去年はCOVID-19が5類感染症扱いとなり、非日常から日常へ戻っていく年でした。

感染症の流行は例年に無い経過となっており、日常で罹患する疾患に、非日常であるがゆえに罹患する頻度が落ちた影響かと考えています。

特に溶連菌感染症が目立ちます。

溶連菌感染症は、通過菌である溶連菌が上気道粘膜に感染を起こす病気で、一見すると風邪のような症状ですが、特に小児においては、頻度は低いですが溶連菌感染症罹患後に急性腎不全を起こすことがあり、抗菌薬で除菌する必要があります。

型通りの抗菌薬服用後も再燃しやすい方が一定数いらっしゃいます。

溶連菌が細胞内寄生を行うことで抗菌薬の影響を回避しているのではないかなどと言われておりますが、いずれにしても抗菌薬の使用が推奨される疾患です。

しかし初回感染時や、かなり久々の感染の場合などを除き、咽頭所見にはっきりとした所見が出ていない場合も多く、検査して初めてそうだったのか、と知るケースも多いです。

また、ウィルス性上気道炎罹患後に急性副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症に移行される方も多く見受けます。

蓄膿症についても、好気性菌、嫌気性菌の混合感染が起きているといわれており、抗菌薬の使用が望ましいです。

ただ、数日間抗菌薬を使用して改善するかというとそういうことは少なく、大概2週間前後の使用が必要となるケースが多いように思います。

これは、もともと膿がたまる病気を治療するには、切開排膿などの外科的処置を行うべきなのですが、顔面骨は非常に堅牢であり、穿つのが大変であること、抗菌薬の発達した現代においては疼痛を伴う上顎洞穿刺などの処置よりも、内服薬単独での加療が望まれる傾向にあるため、内服薬だけで経過を追っていくこととなるのですが、内服薬はあくまで血中濃度を維持するために使用方法が決められており、飲んだからといって膿の中に抗菌薬が十分量いきわたるわけではないので、時間がかかるというわけです。

少し難解な話で申し訳ないですが、感冒1つとっても実はかなり複雑なことが起きており、特に1週間以上続いており遷延している場合や、数日内でも疼痛などの症状の程度が強い場合は、診察を受けていただいた方が良いと思います。

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